巡り

解けた靴紐を
結ぶように

取れたボタンを
縫い付けるように

花の水遣りのように

小さくて些細な作業を
積み重ねてゆく

人との関わり合いには
終わりもゴールもなくて
まるで生き物のよう

尽きることなく
巡り巡る気持ちの流れを
自由に
そのままに

普通で特別で

新鮮な心持ちで臨んだ1日は
淡々と過ぎてゆきました

目に留ったサザンカ
咲いている今は
花にとっては特別な時間で

自分にとってだけではなく
周りに溢れている誰かの特別に
気がつくための
いつも通りの穏やかな日

特別と普通の境目を
なくしてゆけたら

不安について

よく不安になっていたなと
振り返ります

不安や疑いの気持ちに
時間と心を費やすよりも

前向きな力
明るめの未来と運命
そして相手の幸せを

信じる方向に
心を寄せる方が
美しい

信じることは祈ること

水面の氷は
お昼近くには溶けていました

春の陽射しに暖められ
綺麗に
消えていたのです

ふと

あの通りを通ったら
思い出したよ

風が通って髪がなびく
日が差して目を細める
好きだと聞いていた花が咲く

何気ない瞬間に
脳裏をよぎる
思い出の引き金

思い出すことも
思い出されることも
どちらも嬉しいものです

再会

会って気がつくことがあります
私はこの人に
とても会いたかったと

時間の密度がぐんと濃くなって
いつもの感覚とは明らかに違っている

共有している一緒の時間
その一瞬一瞬を覚えていたいほど

細胞が喜んでいるような
魂が自由になるような
そんな繋がり

何気ないように出逢えた時には
こんなにも温かな感情が
生まれるとは思っていなくて

そうすると
自分の辿る人生が
大きな流れに委ねられているような
気さえするのです

例えるなら

知人から久しぶりの連絡
心温まる近況とともに

それはまるで
前のめりになっていた
私の背中を軽く叩いて
後ろを振り向かせたような
出来事でした

一つの方向もいいけど
後ろもあるよ
横も見て
上もある

はっと気がつき
少し立ち止まる

懐かしの人からの連絡は
良いものです

朝に思うこと

毎朝同じ時間
玄関を出て
見上げた空を
飛行機が進んでゆく

ふわふわと取り巻いている雲を
突き抜けてまっすぐ
前に前に

たとえ
うまくいかないことがあっても
それは失敗や挫折ではなく
時が熟していないだけ

進むしかないのであれば
前を見て
今できることを
着実にしてみよう

そんな1日の始まりです