思い出を託すこと

「だからあなたと気が合うのね」
90歳のご近所さんから
そう言われました

彼女はかつて山岳部
5日間かけて長野の山を縦走したり
山スキーをしたり
仕事前にスケートをしたり
活動するのが楽しくて
婚期が遅れて母が心配したと

嬉しそうに話す瞳の奥に
彼女の人生を思い描きます
私に受け継がれた彼女の思い出を
大切にしよう

こんなに近くに素晴らしい
ロールモデルがいたことに
感謝します

歩くことが好き
山の緑が好き
花が好き

同じものを感じて
惹き合う
そんな自然な流れにも
嬉しくなりました

分からないこと

過去の言動
自分のことや
誰かのこと

時間が経ったり
忘れられてしまったり

分からないことは
そのままで
いいのではないのかな

心の状態
タイミング
それらの繊細な条件が
今の反応を作り出す

きっと正解も間違いも
時と共に
変化し続けるから

存在全てを包んで
分からないままでいる

それは
とても大きな
愛の形のひとつ

誰かの肩にそっと寄り添う手

痛みをさすり
心を癒す手

人と繋がり
世界と繋がるものづくりの手

美しいものをなぞり
愛でる手

優しさを
温かな気持ちを
表現する手

なんて愛に溢れているのだろう

言葉

様々な言語があるように
その人が分かる言葉で
伝えようと思いました

理解されなかったことを
憤ったり
悲しんだりするよりも

まずは相手の世界の言葉で
私が話しただろうか

そんな気づきを
彼女からもらえた日

行き場のない写真たち

日常の煌めきの瞬間
ふと浮かんだ言葉を
伝えたい人に
伝えたい

機会を逃すと
削除されたり
忘れられてしまったり

そんな写真や言葉が
どれだけ生まれ
どれだけ消えてきたことだろう

儚い存在に
思いを馳せます

見た空が綺麗だったと
友人から連絡が入り
温まる心

受け取られたことで
成就される喜び

思いを遂げた
写真や言葉が
ひとつでも
多い世界であるように