声の色

先方の声が
礼儀正しく柔らかで
自然とこちらまで
穏やかな気持ちになりました

思い返せば
今まで色々な声を聞いてきて
今でもすぐに思い出すことができる
声色がいくつか

心地良い深い青
包まれるような優しい色

声と共にその人を思い出す

個性ともいうべき
人の大切な一部です

Tracing my roots

緑色で一番好きな色は
夏の青々とした稲葉の色

学生の頃は
駅から家までの自転車の道を
わざと遠回り
田んぼの緑を眺めながら
帰るのが日課でした

その場所に立って
あの頃の私に語りかけてみたい
「そんなに心配しなくても大丈夫」

実家に帰ると
身体の細胞が
深呼吸しているような
感覚になります

親の出身地
育った場所
今まで住んだところ
そして今の生活の場所

舞台を転々として
色とりどりの出会いがあってこその
今までの人生

住んだ地域や
その時々に
深く関わった人たちから
どれだけ影響を受けてきただろう

そう思うと
同じ人間は一人もいないのだなと
感じるのです

身近な存在

ガサガサと音を立てて
木の上からやってきた猫

猫好きの人と居たら
知らない間に
猫が好きになっていたように

身近な人の影響力は
その人の好みまで変えてしまうほど

優しい思考は伝染するし
焦る気持ちもまた然り

近くにいて良かったなと
そう思われるような存在に
なれたら幸せです

オリーブの実

立て続けに
友人の子や
赤ちゃんに会っています

彼らの成長は目まぐるしく
凄まじい勢いで
大きくなってゆく

2カ月ほど前に
これがオリーブになるんですよ、と
見せてもらった小さな実

今頃はもう収穫されているのかな

目に見える成長は
今の私にはないけれど
内なるものが
少しでも深まればいいなと

無垢な存在を見ながら
思うのです

なくしもの

ここ数日
家の鍵を探していました

身近にありそうに感じる

ふと思いついた鞄から
鍵が登場
数日ぶりの再会でした

ないけれど
身近にいる、という感覚と確信

人にもモノにも同じように感じます
大切なものは
旅をしても必ず戻ってきます

暑中見舞い

いかがお過ごしですか?
お変わりないでしょうか?

ここ数年
この時期になると
お世話になったある人に
葉書を書いていました

今まで届いた葉書を
どんな様子で眺めていただろう

もしかして
何度か繰り返し見てくれていたのかも
知れません

今年からは
心の中で
その人へのメッセージを唱えます

いかがお過ごしですか?
今年は猛暑ですよ

Departure

空を見上げたら
雲がさらさらと流れていました

風が強い
この風は追い風?
それとも向かい風?

今頃彼女らは日本を離れ
雲の上を移動中
違う国で新たな生活が待っています

一時のお別れを悲しむよりも
お別れが切ないと
感じる人に出逢えたことに
感謝しよう

お互いの人生が
触れ合えたことに
再会の楽しみに